ヘルメット衝撃吸収材

ヘルメットの衝撃吸収材は、事故や落下などの衝突時に発生するエネルギーを効果的に吸収・分散し、頭部を保護します。ヘルメットの最も重要な安全機能であり、命や重大な後遺症を防ぐために不可欠な要素です。形状の自由度や衝撃吸収材としての特長から、発泡樹脂が使用されることが多いです。
事例
従来、樹脂のアウターとEPS芯材は別々に成形したものを、接着剤等を使用し貼り合わせをしていました。
その製法ではこれ以上の軽量化は難しく、さらなる軽量化を進めるには技術的な課題がありました。
当社は樹脂と発泡樹脂のインサート成形技術を得意としていましたが、発泡樹脂成形時の加熱により、樹脂の外観意匠性を維持したインサート成形技術は持ち合わせていませんでした。
この技術的な課題をクリアーするために試作を繰り返し、外観意匠性を確保した樹脂とのインサート成形技術を確立。樹脂アウターとEPS芯材が一体になる事で、樹脂アウターの肉薄化による軽量化と後付け接着レスによりコストダウンが可能となり、業界最軽量の産業用ヘルメット開発に大きく貢献しました。
ヘルメット衝撃吸収材の特長
- 外観意匠性を維持した、発泡樹脂インサート成形技術です。
- 従来は発泡樹脂成形時の2次加熱により、インジェクションや真空成形でできている樹脂部品の表面に曇りや変形が起きてしまう課題がありました。発泡樹脂成形時の加熱方法をコントロールする事により、インサート成形時の2次加熱による樹脂の変形を防ぎ、外観意匠性をキープできる成形品が可能となります。
- インサート成形により樹脂と発泡樹脂の隙間がなくなり、ヘルメット用途以外の断熱材として、断熱や結露防止に有効な素材となります。